2005年08月12日

デルが職安法違反で書類送検へ

 おはようございます。今朝は、赤坂見附のファーストキッチンに来ています。ここは赤坂見附の交差点のそばにあり、大きな窓からは246号線の高架の向こうにプリンスホテルとニューオータニが見えます。食事やセミナーなどでは行ったことがありますが、こういうホテルに泊まれたらなあってぼんやりと考えていました。

 さて、昨日の夕刊各紙にデルの日本法人の事件について報道されていましたので、ご紹介したいと思います。

デル社、違法採用で書類送検へ=自社で面接し「派遣」に−神奈川県警(8月11日 時事通信)

 パソコン世界最大手の米国メーカーの日本法人デル(川崎市)が店頭販売員を採用する際、自社で面接試験を行った上で人材派遣会社に派遣社員として採用させ、働かせていた疑いのあることが11日、分かった。神奈川県警幸署は12日にも職業安定法違反(無許可職業紹介)容疑で法人としての同社と採用担当だった元男性社員(34)=退職=を書類送検する。
 
 調べによると、元社員は2002年8月、パソコンの店頭販売員として勤務を希望していた男性(30)と本社で面接し、採用を決定。職安法に基づく職業紹介事業の許可がないのに、派遣会社に紹介した疑い。デル側は02年5月から03年12月までの間に175人と同様に面接して派遣会社に紹介していたとみられる。

 男性は「デル社員として採用された」と思っていた。しかし、昨年2月に同社に問い合わせた際に派遣社員と知らされたという。男性の申し出を受け、神奈川労働局は無許可で紹介するのをやめるよう、同社に対して行政指導。男性は先月上旬、同署に告訴していた。

 デル広報本部の話 職安法の認識不足で派遣会社に紹介したことは事実。現在は是正し、業務内容の説明などは派遣会社に一本化している。(了)


 デルの広報部の話では、職安法の認識不足を理由に挙げていますが、職安法を詳しく知らなくても普通のビジネスマンであれば、この行為が違法性に満ちたものであるという判断はできたと思います。この事件の報道で、少なからずデルの信用が低下することは避けられないのではないでしょうか?

 私が勤務していた会社では、教育研修改革を検討する際に、「社員に求める共通基礎能力」の一つに「危機回避力」を挙げていました。この危機回避力というのは、要するに「これをやったらヤバイことになる、ひいては会社の危機につながる」ような行為を未然に嗅ぎ取り、回避する能力ということですが、改めてその重要性を感じました。

 組織ぐるみの犯罪かどうかわかりませんが、30代前半の採用担当者が「危機回避力」を身につけておれば、或いは防ぐことができたかもしれません。 (採用担当者が職安法を知らないということは考え難いので、確信犯という可能性も大いにありますが。。。)

 一方、男性社員(30歳)の「デル社員として採用されたと思っていた」というコメントにも驚かされました。労働基準法を知らなくても、働き始める時点で採用通知書などの文書で、自分の地位の確認を会社側に求めなかったのでしょうか?これも普通のビジネスマンであれば、当然の行為だと思うのですが。。。或いは、デルが言葉巧みに騙していたのでしょうか?

 いずれにしても、思考停止状態に陥っている現代日本を象徴するような事件だと思いました。


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パソコン世界最大手のデルの日本法人「デル」(川崎市)が店頭販売員を採用する際、自社で面接したのに人材派遣会社に紹介して採用させ、働かせていた疑いのあることが8月11日に判明。 神奈川県警幸署は職業安定法が禁じた「職業紹介」にあたるとして、当時の採用担当の元...
デルの違法採用事件【労働法ブログ】at 2005年09月07日 17:45
この記事へのコメント
ご無沙汰しています。
ご活躍されていますね。

さて、現場の人は労基法はじめ労働法に
ついては耳に聞きかじった程度ですよ。
今回の件は組織ぐるみかどうか分りませんが、
当社でも結構危険な発言をする人がいます。

コノプラ重視と言っていますが、まだまだ
危ない状況があると思います。
Posted by 岩田裕 at 2005年08月12日 20:57
こんにちは。かんかんです。

う〜む・・・
考えさせられる内容ですね。

まず、そのような行為が平然と行われる環境にあること。
しかも、それがデルのような大企業で平然と行われていること。
もし、これが氷山の一角ならば、他の大企業でもそういうことが行われている可能性があること。

様々な問題が浮上してきますね。

大きな会社では末端の社員が何をしているかが見えにくくなりますね。
でも、それを理由に一社員の行為を見逃すような会社を作りたくはありません。

起業をする際に考えさせられる内容でした。
ありがとうございました。


Posted by かんかん at 2005年08月13日 09:23
岩田さん、おはようございます。
いつもコメントありがとうございます。

大変貴重なご指摘だと思います。
大手の企業でもそういう状況なのですね。
私が思っていた「普通のビジネスマン」という感覚がずれているのかもしれません。

現状をよく認識して、それを踏まえたうえで、対応すべきですね。基礎的なところの教育を繰り返しやっていくことでしょうか。
Posted by 人事労務屋・田代 at 2005年08月13日 10:45
かんかんさん、おはようございます。
いつもコメントを頂戴し、ありがとうございます。

確かに氷山の一角かもしれませんね。今朝の新聞にも大きな扱いではありませんでしたが、送検されたという記事がでていました。

こういったことが起こらないような会社作りは可能だと思いますし、そのためには「真の」社員教育が必要だと思います。
Posted by 人事労務屋・田代 at 2005年08月13日 10:53
デルがこんな事件を起こしましたか〜
とても残念ですね。
実は、デルは1年半前に面接を
受けにいったがあります。
また、今わたしが居る会社は
デルの兄弟会社と言ってもいい会社なので
とても人ごとではないと思いました。

外資はけっこういいかげんなところがあり、
立ち上がったばかりの外資は
外国法人だから、日本の労働法の適用を受けないと
本気で考えている酷い法人さんも
存在するので、デルの採用担当者が職安法を
よく知らなくてもあながち不思議な話では
ない気がしますね。
Posted by 「青ちゃんのセミナー感動記」 青山です♪ at 2005年08月16日 02:17
青山さま、おはようございます。
貴重なコメントを頂戴し、誠にありがとうございます。

外資系の実態を垣間見た思いです。立ち上がったばかりの外資がなぜこのようにいい加減なのか、どこに原因がなるのか研究してみたいと思います。
Posted by 人事労務屋・田代 at 2005年08月16日 09:24