おはようございます。今朝も快晴となっていますが、今週はずっと天気が悪いようです。気圧が下がるとテンションも下がり気味になりますが、今週は色々な方と会う機会が多いので、テンションが下がらないように頑張っていきたいと思います。
さて、昨日の日経新聞に興味深い記事がありましたので、少し長いのですが、ご紹介したいと思います。
「うつ」100万人?、「心の風邪」と啓発活動で自覚、精神科の診療所増加も影響か。(2月7日 日経新聞)
厚生労働省の「患者調査」でうつ病患者が増え続けて約10年。昨年12月発表の最新の調査結果で、うつ病患者約70万人を含む気分障害の患者が初めて100万人を超えた。ストレス社会の産物ともいわれる半面、官民の啓発活動によるうつ病患者の「自覚」促進や診療所増加の影響も無視できない。一方、面談が主の診断は医師によって結果が異なりがちとされ、課題も残されている。
大学生の女性Aさんは、2年前、友人関係の悩みからうつ状態になり、大学を休学した。昼間は眠気や疲労感が強く、甘い物ばかり食べるように。父親に「自分勝手」と怒られ、夜は自室にこもり泣いたり死にたいと思ったりもした。一方、友人とコンサートや買い物に出かけるときは、気分が安定して楽しめた。診療所で「うつ病」と診断されたが数カ月で通院をやめた。
その後過食とうつ状態がひどくなり別の診療所へ。投薬治療や家族も交えた生活指導で症状は軽くなり、アルバイトにも行けるようになった。
「ここ数年で、常にうつ状態が続く従来のうつ病とは違う、一見軽そうなタイプのうつ病が若い人に増えている」とある診療所の医師は話す。
500万人との声も
「ここ数年でうつ病の認知度が高まり、患者は病院や診療所に行きやすくなった」と東邦大学の水野雅文教授(精神神経医学)は話す。2000年代に入り「うつ病はこころの風邪」「まじめな人がなる」などのフレーズと共に啓発が盛んになったからだ。
厚労省も06年に「こころのバリアフリー宣言」や自治体向けのうつ対策マニュアルを作成。うつの理解が浸透し、「潜在的患者が自分の病気に気づき、受診者数増につながった」(厚労省)とみる。
患者増と共に診療所も増加が続く。同省によると、診療科に精神科を含む診療所数は08年に全国で5629軒で、1996年(3198軒)の約1・5倍。特に都心部で急増しているという。
患者調査の患者数は、医療機関で「医師に診断された数」。この数の増加を、東京大学病院精神神経科医師で、理化学研究所の加藤忠史チームリーダーは「従来診断さえされなかった人が、今は治療を受けているということ。今後も増える」とみる。
では「受診者の増加=患者の増加」なのか。国立精神・神経センターの樋口輝彦総長は「実際に患者が増えているか否かは分からない」と強調する。国内では正確な患者数を把握するための大規模疫学調査がほとんどないからだ。
全くデータがないわけではない。東京大学の川上憲人教授(精神保健学)らが04〜06年、厚労省研究班で地域住民4134人を対象に実施した研究では、うつ病の生涯有病率を6・3%とはじき出した。
この調査結果などを基に国内のうつ病患者を推計すると「最低でも250万〜300万人」とされ、なかには500万人とする専門家もいる。「未受診患者を含まない患者調査は実態を反映できない」との指摘もあるなか、多くの医師は「100万人でも氷山の一角」と口をそろえる。
うつの概念広がる
啓発と並び、患者増の大きな要因とされるのが「DSM―IV」と呼ばれる診断方法の普及。通常「うつ病」とされるのは、DSM―IVで「大うつ性障害」と分類されるもの。これに適応障害や気分変調症などを加えて「気分障害」と呼ぶ。同診断方法の普及が始まった80年代以前は、まじめな人が突然寝込み、常に抑うつ状態になるような重症で初めて「うつ病」とされた。
DSM―IVは軽度でも、うつに苦しむ人に門戸を広げた形だ。日本うつ病学会理事長で防衛医科大学校の野村総一郎教授も「DSM―IVの普及でうつの概念が広がり、診断されやすくなった」と話す。
他方、一見落ち込んでいるだけに見える人も、質問事項に合致しさえすればうつ病と診断されるため、従来より患者数は増加するなど、運用の適切さには課題が残る。
厚労省の成重竜一郎・心の健康づくり対策官は「DSM―IVを使いこなせる精神科医は多くはない」と分析する。この結果起きているのが、症状と質問事項を照合するだけの「マニュアル診断」。樋口総長は、経験が少ないまま開業した医師などによるマニュアル診断で、「本来うつ病に至らない人も、うつと診断される例が多い」と案ずる。
診断の網から漏れる患者がいる一方、病といえない人までうつ病とされる現状を、成重対策官は「過少診療と過剰診療の混在」と表現する。さらに、うつ病未満や気分変調症、適応障害の患者は増え続け、すそ野は広がる一方だ。
増加する患者と適切な治療を結びつけるためにも「診断基準を見直しうつを再定義することは不可欠」(野村教授)で、今後は診断のあり方論議も熱を帯びそうだ。
うつ病などは20〜40歳代の働き盛りが最も多い。企業にとって従業員のメンタルヘルス対策は喫緊の課題だ。
千代田化工建設は2007年、全社員に「心の健康診断」を受診することを義務付けた。海外勤務者を含め昨年の受診率はほぼ100%。結果は本人のみに通知、結果によってカウンセリングを受けるなどする。
同社は社員の約9割が主に発展途上国の海外勤務を経験するなど、精神的負担は小さくない。これまでも対策には取り組んできたが「メンタルヘルスは特に予防を重視している」と村田敏哉人事部長は強調する。
結果として、08年の休職者はそれまでの1・5倍に増加したが「軽い症状のうちに見つけられるようになった。良い傾向だ」と村田人事部長は話す。
これとは別に、07年から精神科医を産業医に迎えるなど、メンタルヘルス対策に取り組む食品関連会社の人事担当者は「従前から、適応障害や休みがちの人が増えていた。外部の医師の診断書だけでは、復帰後の対応にも困っていたが、精神科医を迎えて、部署の変更など、社内で対応できることも見えてきた」と狙いを打ち明ける。
千代田化工建設の産業医で筑波大学の松崎一葉教授(産業精神医学)は、「DSM―IVの分類に当てはまるうつ病は増えていないようだが、ここ数年で軽いうつ状態の人や適応障害、気分変調症の人が増えている。診断書や薬に頼るのではなく、上司と産業医との連携が重要」と強調した。(了)
私も、6〜7年前の人事担当者時代に、「心の健康診断」の実施や精神科医の相談窓口設置など千代田化工建設と同様の対策を講じました。その当時は、お手本となる企業も少なく、手探りの中、検討したことを思い出します。
村田人事部長のご指摘の通り、発症してから対応する「対症療法」ではなく、「メンタルヘルスは特に予防を重視」することが重要だと思います。
ただ、メンタルヘルスの問題は、これらの予防対策だけでは抜本的な解決にはならず、組織のコミュニケーション、組織風土、上司のマネージメントなどによるところも多く、ここにメスを入れる必要があると考えます。
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