2008年07月18日

すかいらーく契約店長の過労死が労災認定

 おはようございます。今朝も蒸し暑い朝となりました。今日はあまり天気がよくないようですが、明日からしばらく晴れるようで、ようやく梅雨明けとなりそうです。明日からの3連休は、どこにも行かず自宅にいる予定です。

 今朝はオフィスのビルの1階で、勤務していた会社の同期の女性とばったり出会いました。勤務していた会社と同じビルに入っているので、別に不思議なことはないのですが、せっかくなので、私のオフィスに来てもらいました。久しぶりに同期の活躍ぶりを聞いたりして、楽しい時間を過ごしました。

 来週は、22日(火)〜23日(水)に香川県にある直島という島に出張する予定です。岡山県の宇野からフェリーで20分のところです。仕事がメインですが、観光も楽しみにしています。観光の部分は記事でご紹介したいと思います。ということで、しばらくブログの更新ができないかもしれませんが、ご容赦お願い致します。 

 さて、今朝の日経新聞に興味深い記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

すかいらーく、契約店長の労災認定 春日部労基署(7月17日 NIKKEI NET)

 外食大手「すかいらーく」で1年ごとに雇用契約を更新する契約店長だった埼玉県加須市の前沢隆之さん(当時32)が脳出血で死亡したのは、長時間労働などによる過労が原因だったとして、春日部労働基準監督署(埼玉県)が労災認定したことが17日、分かった。遺族によると、死亡直前の3カ月で月平均200時間を超える残業をしていたという。

 遺族によると、前沢さんは1991年にすかいらーくでアルバイトを始め、2006年3月、栗橋店(同県栗橋町)の契約店長になった。07年10月に死亡する直前には午前7時に出勤して翌日の午前2―3時に帰宅する状態だったという。

 タイムカードなどに記された残業時間は月40時間程度だったが、春日部労基署は長時間労働を認定した。(了)


 今朝のテレビのニュースでも報道していました。これまでの長時間労働による過労は正社員の問題だったのが、非正規社員の問題に広がっていると指摘されています。

 今回のすかいらーくの事件は、契約社員の労災認定という点で珍しいことかもしれませんが、過労死あるいは過労自殺が労災認定されること自体は目新しいことではなく、このまま放置しておくと今後も増え続けるかもしれません。

 亡くなった方はもう帰ってきません。同社の広報室の話では、「詳細は分からないのでコメントできない」としていますが、もっと重く受けて止めて、再発防止にしっかりと取り組んでもらいたいと思います。他の企業も他人事ではなく、過重労働をさせていないかしっかりと点検をした戴きたいと思います。


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2008年06月26日

社内飲み会後の転落死、二審は労災認めず

 おはようございます。今朝は冷たい雨が降っています。今日は4月上旬の頃の気温だそうですが、関東では今日のように雨が降ると北東からの風が吹いて、極端に気温が下がることがあります。西日本では、この時期に18度くらいまで下がることはまずないと思います。体調管理に気をつけようと思います。

 今晩23時からのテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で、勤務していた会社が取り上げられる予定です。「外国人社員”壁”をどう克服?」というテーマで、外国人社員の能力をどう生かすか企業の取り組みを追う、ということで先日人事グループ長に取材が行われていました。多分放映されると思いますので、よろしければご覧になって下さい。

さて、今朝の日経新聞に興味深い記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

社内飲み会後の転落死、二審は労災認めず(6月25日 NIKKEI NET)

 会社内の飲み会に参加し、帰宅途中に地下鉄の駅階段で転落死した男性会社員(当時44)の遺族が、通勤災害として労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(宮崎公男裁判長)は25日、労災と認めた一審・東京地裁判決を取り消し、遺族側の逆転敗訴とした。

 宮崎裁判長は男性が会合を主催した部署の次長だったことなどから、一審に続き「会合への参加は業務だった」と認定。ただ、「会合の目的だった社員同士の意見交換が終わった後も、約3時間、参加者と飲酒し、帰宅時には人に支えられてやっと歩く状態だった」と指摘し、階段からの転落は飲酒が大きく影響し、業務にかかわる通勤災害とは言えないと判断した。

 判決によると、男性は1999年12月、東京都内の勤務先で開かれた会議の後、午後5時ごろから開かれた会合で缶ビールやウイスキーを飲み、午後10時15分ごろ退社。帰宅途中に地下鉄駅の入り口階段から転落、頭を強く打ち死亡した。(了)


 本件に関しては、昨年3月一審・東京地裁の判決がでたときに、取り上げています。
*)参考記事 
2007年03月29日「社内飲み会後の帰宅中の転落死を労災認定」

http://app.blog.livedoor.jp/etashiro1/tb.cgi/50851877

 私は、上記参考記事に書いている通り、一審の判決は妥当だと考えていました。そして、この事件はもう決着がついたものと勝手に思っていました。控訴されているとは知りませんでした。

 私は、二審の判決内容もさることながら、なぜ国は控訴したのか?という点に納得がいきません。言うまでもないことですが、通勤災害が認められるか否かということは遺族にとってとてつもなく大きな問題です。最高裁で争うことになるのでしょうが、それまでの遺族にかかる心労を考えると何ともやりきれなくなります。


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2008年05月27日

度重なる海外出張で労災認定

 おはようございます。今朝は、晴れてさわやかです。昨日のような蒸し蒸しとした感じがなく、カラッとしています。こんな日ばかりだといいのですが、明日から天気が下り坂のようです。今週末の日曜日、6月1日はファン待望の日本ダービーです。そして、私の4回目の独立記念日をむかえます。

 さて、先週報道されていたにもかかわらず、伝えきれていない記事を、ご紹介したいと思います。

海外出張原因と労災認定/遺族が2審で逆転勝訴(5月22日 共同通信)

 セイコーエプソン(長野県諏訪市)の海外事業担当社員だった犬飼敏彦さん=当時(41)=が、くも膜下出血で死亡したのは度重なる海外出張が原因として、妻洋子さん(51)が労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は22日、請求を棄却した1審長野地裁判決を取り消し、労災と認めた。

 青柳馨裁判長は、労働時間や業務の過重性は否定したが、犬飼さんが約10カ月間に米国や中国など5カ国に計10回、計183日の海外出張をしていたことを指摘。「多数回にわたる海外出張で長時間の移動を強いられ、生活が不規則となり、精神的、肉体的に疲労を蓄積したことは明らか。発症と業務には因果関係がある」と判断した。

 遺族の弁護士は「労働時間が長くないケースで、業務との因果関係が認められるのは珍しい」と評価している。

 判決によると、犬飼さんは2000年11月から品質向上や海外での技術指導を担当。01年10月、国内出張先の東京都内のホテルで死亡した。死亡直前の同年8月からほぼ連続して計39日間、フィリピンやインドネシアに出張していた。

 国の過労死の基準では、死亡前の半年間の時間外労働が月45時間を超えると関連が強いとされるが、犬飼さんの死亡前の時間外労働は毎月30時間未満だった。松本労働基準監督署は02年7月、洋子さんの請求を認めず、1審も「多数回の海外出張はしているが、長時間の時間外労働は認められない」と退けていた。(了)


 出張時はみなし労働時間が適用されて、残業はしていないことになっていると思います。それで、月間の残業時間(出社した日の合計)が30時間未満ということになっているのだと思います。

 今回のケースは、労災の認定基準を杓子定規に当てはめれば、松本労働基準監督署や長野地裁の判断のように認められないということになります。私も経験がありますが、海外の場合は、時差もありますし、移動するだけでも相当疲れます。海外出張時の精神的、肉体的な疲労の蓄積を考えれば、裁判所の判断は妥当だと思います。

 長時間労働が続いて社員が、ある月急に残業が減っていることがあります。数字だけを見ていると、今回のようなケースを見落とすことになります。人事担当者は、毎月社員一人ひとりの出勤簿をチェックしていると思いますが、その中身までよく見ていないと、重大な過重労働を見逃すことになりかねません。注意しましょう。


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2008年05月24日

労災認定の過労自殺が過去最悪

 こんにちは。午前中は晴れていたのですが、午後から雨が降り出しました。今日は午前中に家事をすませ、お昼から会社に出てきています。3月頃からほぼ毎週このパターンです。今日は締切が迫っている原稿を仕上げて、来週以降のクライアントとの打ち合わせの準備などをしていました。(残念ながら、会社の近くにあるWINS新橋に行けず、オークスの馬券も買えませんでした。明日は天気と同じく大荒れですね。)

 さて、今朝の新聞各紙に、昨年度の過労自殺の労災認定が過去最悪になったという記事がでていました。新聞によっては1面のトップの扱いとしているところもありました。日経新聞から引用します。

労災認定の過労自殺、過去最悪の81人・07年度、厚労省まとめ(5月24日 NIKKEI NET)

 過労や職場のストレスが原因でうつ病などの精神疾患にかかり自殺した(未遂を含む)として、2007年度に労災認定された人が前年度を15人上回る81人と、2年連続で過去最悪だったことが23日、厚生労働省のまとめで分かった。自殺を含む精神疾患の認定者は268人で前年度比3割増。厚労省は「長時間労働に加え、いじめなどで精神疾患にかかったケースもある」として職場での支援強化を求めている。

 脳梗塞(こうそく)などの脳・心臓疾患で労災認定された人も1割増え、392人と過去最悪。うち死亡したのは142人だった。07年度の精神疾患の労災申請は前年度比16.2%増の952人。一方、脳・心臓疾患の申請は同0.7%減の931人で、調査開始以来初めて過労による精神疾患の申請が脳・心臓疾患を上回った。(了)

 さらに、本日のNIKKEI NETによると、昨年度の労働相談件数がこれまた過去最多となり、なかでも職場のいじめに関する相談が大幅に増えているとのことです。

労働相談、過去最多の19万件・「いじめ」増加(5月24日 NIKKEI NET)

 労働者と企業の間のトラブルを迅速に解決することを目指す「個別労働紛争解決制度」に基づく2007年度の労働相談件数が、前年度比5.5%増の約19万7600件となり、過去最多を更新したことが厚生労働省の調査で分かった。パワーハラスメントなど職場内の「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が同27.6%増と大幅に増加。派遣や契約社員などの相談も増えている。

 内容別で最も多かったのは「解雇」で全体の22.8%。以下、「労働条件の引き下げ」12.5%、「いじめ・嫌がらせ」12.5%と続く。(了)


 パワーハラスメントの問題も、ここ数年悪化をたどり、各方面から問題が指摘されているにもかかわらず、企業内で適切な対策が採られていないことが増加の原因ではないかと思います。長時間労働、パワーハラスメント、メンタルヘルス、(個人の結果だけを求める)成果主義の間違った運用などが相俟って、元気のない職場を生み続けているのではないかと思います。

 これらの問題は、結局はチームコミュニケーションとマネジメントの劣化に原因があると思います。それぞれを個別の問題ととらえ、処方箋を探すのではなく、組織を立て直す抜本的な改革を断行しなければ、これから先、労災件数も相談件数も過去最高を更新し続けていくのではないでしょうか。


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2008年04月02日

東芝社員自殺、妻の日記で労災認定

 おはようございます。久しぶりの更新となります。さぼっていたわけではなく、以下のように、連日様々な法人で様々なテーマの研修の講師を務めており、ブログを書く時間もありませんでした。

31日(月)新聞・出版業 管理職研修会(残業ゼロをめざして)
1日(火)NGO法人 考課者研修会
2日(水)勤務していた会社 新入社員研修(ハラスメント、メンタルヘルスなど)
3日(木)大手製造業(川崎) 新入社員ビジネスマナー研修
4日(金)勤務していた会社 新入社員ビジネスマナー研修
8日(火)〜9日(水)大手製造業(富山) 新入社員ビジネスマナー研修

 7日は移動日となりますが、午前中長女の高校の入学式に出席し、終了後に陸路富山県に移動する予定です。この時期新入社員研修が多いのは当然のことですが、最近依頼が多いのが管理職向けの研修です。今月18日と来月9日、17日にも管理職研修の予定があり、労働時間管理と目標管理・人事考課がテーマとなっています。富山から戻ったら、締切日が迫った原稿を書きながら、研修の資料作りに着手しなければなりません。

 労働時間管理をテーマとした管理職研修の依頼が増えている背景には、過重労働による労災認定が増えていることもあるのかもしれません。今朝の日経新聞に関連記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

東芝社員自殺、妻の日記で労災認定・埼玉(4月2日 NIKKEI NET)

 東芝の男性社員(当時37)が2001年12月に自殺したのは、仕事による過労でうつになったのが原因であるとして、熊谷労働基準監督署が労災認定したことが1日、分かった。遺族の代理人弁護士によると、同労基署は男性の妻の日記を基に、恒常的に1カ月当たり100時間前後の時間外労働が続いていたことを認定した。

 労働時間は通常、社員側と会社側双方の記録を基に認定するが、妻の日記のみで認定されるのは珍しい。東芝は「タイムカードの保存期間が経過した」などとして労働時間の記録を労基署に提出しなかったが、妻は男性の出勤時間や帰宅時間などについて詳細に日記に記録していた。(了)


 過労自殺が労災認定されるケースはもはや珍しいことではなくなりました。この記事の特記事項は、妻の日記をもとに労働時間を認定したということです。

 先日NHKスペシャルで「名ばかり管理職」の実態について報道されていました。長時間労働の問題は、本人だけではなく家族をも巻き込み、そして崩壊させていくことを改めて認識しました。人事労務担当者としては、管理監督者の範囲の問題に目を向けると同時に、如何に残業を減らしていくのかという本質の問題により注力する必要があると思います。

 法律論を振りかざすだけなら簡単ですが、業務の効率化、職場風土や社員の意識を改革しつつ、残業を減らして、社員も会社もハッピーとなるようにもっていくには、それなりの時間とエネルギーが必要だと思います。「社員が元気」な会社が増えるために頑張っていきたいと思います。


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2008年01月18日

東京地裁が大丸社員の過労自殺を労災認定

 おはようございます。今朝はどんより曇っています。昨晩は、東京に出張中の天竜精機芦部社長(http://www.tenryuseiki.co.jp/profile/index.htm)とコンサルタントの方2名と4人で新橋の土佐料理の店でオフ会をしました。

 芦部社長とはブログ(http://plaza.rakuten.co.jp/sennjyou3033/)がご縁で、昨年8月11日に行われた同社の「『成長と自信』を共有する研修会」に参加させて戴いたことから、その研修会で知り合ったコンサルタントの方々共々親しくさせて戴いています。

 研修会の模様は、私が毎月執筆している「元・人事労務屋の企業訪問」の記事にまとめ、「労務事情」誌に寄稿しました。私の記事が掲載されている雑誌は、クライアント先にも配布していますが、大手製造業のクライアントさんが天竜精機さんの取り組みに関心を持たれ、会社・工場見学をしたいという意向を示されましたので、その件もお願いしました。2月か3月頃に、そのクライアントさんと一緒に再び長野県駒ヶ根市の天竜精機さんを訪問することになりそうです。

 企業訪問の記事をきっかけに、同じように人と人、あるいは企業と企業をつないでいったケースはありますが、私としても、本当にうれしく思います。つないでいくためには、やはり情報発信を続けていくことが重要になると思いますので、頑張っていきたいと思います。

 さて、今朝の日経新聞に気になる記事がありましたので、ご紹介したいと思います。

大丸社員自殺は労災・東京地裁、年金不支給取り消し(1月18日 日経新聞)

 大丸東京店に勤務していた男性社員(当時43)がうつ病となり自殺したのは過重な業務が原因として、埼玉県に住む妻が、遺族補償年金を不支給とした中央労働基準監督署(東京)の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日、自殺を労災と認めた。

 社員は商品の在庫と経理記録が合わない「品減り」の原因調査をしていた。

 中西茂裁判長は「非常に困難な調査で、自宅に伝票を持ち帰り、深夜、早朝まで作業していた。調査の負荷以外にうつ病の原因は考えられず、自殺には業務起因性が認められる」と判断。不支給処分を取り消した。(了)


 同じように労災を不支給とした労働基準監督署の処分を取り消す判決が、最近続いています。記憶に新しいところでは、昨年11月末、トヨタの社員の過労死のケースも労災と認められました。こういった司法判断の流れから、過重労働やパワハラなどからうつ病を発症した場合の労災の認定基準も見直されていくことになると思います。

 企業の管理職研修のレジュメを作っていますが、労務管理のところでは、適正な就業管理、パワーハラスメント、メンタルヘルスについて、管理職が最低限持っていなければならないポイントを網羅し、こういった悲劇が起こらないように、事例を示しながら研修を進めていきたいと思っています。


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2007年11月13日

うつ病自殺の労災認定 「激務と上司の暴言」

こんばんは。12日は午前中はクライアントと打合せ、午後は若年者教育に関するセミナーを受講しました。私が日頃感じていることと同じような話で、自身の12月14日の講演の内容に参考になるものでした。同じテーマで他のコンサルタントがどう話しているのかを聞くことも勉強になります。

 13日からは、毎日来客が予定されています。クライアント企業の方も、事務所に来て戴くことが多くなりました。明るい雰囲気で、受付の秘書の対応もしっかりしているので、来訪者には評判が良く、事務所を移してよかったと思います。事務所費用が3倍近く跳ね上がりましたが、その分はしっかり稼ごうと思います。
 
 さて、またもや、パワハラ自殺が労災に認定されたという記事を見つけましたので、ご紹介したいと思います。

うつ病自殺の労災認定 「激務と上司の暴言」(11月12日 asahi com)

 会社員男性(当時47)がうつ病になって自殺したのは、業務の激増や上司の暴言が原因だとして、近畿在住の妻が国を相手に労災の不認定処分取り消しを求めた訴訟の判決が12日、大阪地裁であった。山田陽三裁判長は「上司から『できが悪い』などと言われてうつ病が悪化し、自殺に至った」と判断し、処分を取り消した。

 判決によると、男性は水道施設管理会社「日本ヘルス工業」(東京)の浄水場所長だった02年9月、営業部門のサービスセンター長兼務を命じられた。部下の数が10倍以上になり、1カ月の時間外労働も12時間近く増加。同11月ごろ、うつ病を発症した。同11日、上司が社内の宴席で、男性について「できが悪い」「何をやらしてもあかん」などと発言。男性は翌日、宿泊先のホテルで飛び降り自殺した。

 奈良労基署は04年、男性の自殺と業務との因果関係を認めず、妻の請求を退けていた。(了)


 同じようなケースは、先月15日からわずか1ヶ月弱の間で、私が知る限りこれで4件目です。今から5年前に起きた事件の判決が今頃出ているということは、これからも同じような判決が増えるのではないでしょうか。

*)参考記事
2007年11月03日 電力会社でパワハラ自殺が労災認定
2007年10月18日 労働保険審査会がパワハラ自殺を労災認定
2007年10月16日 パワハラ苦で自殺 東京地裁が労災と認定
http://blog.tashiro-sr.com/archives/cat_281503.html
 
 12日に労務行政さんから「管理職のためのこころマネジメント―うつの予防にはコミュニケーションが効く」という新著を送って戴きました。そのなかに、パワハラ予防のことも書かれていましたが、本のタイトルにもあるように、職場のコミュニケーションが最も重要だと思います。

 コミュニケーションが取れていること(とりわけ話をよく聴くこと)、相手の立場に立って物事を考えること、これらができていればパワハラなど起きないはずです。そのあたりのことを事例を入れて分かりやすく書かれています。まだ読み始めたばかりですが、人事担当者および管理職にとって、役に立つ内容だと思います。




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2007年11月03日

電力会社でパワハラ自殺が労災認定

こんにちは。午前中に福岡から横浜の自宅に戻りました。昨日はクライアント先の管理職向け評価者研修でしたが、目標設定のところを重点的にやりました。目標設定力が向上しないと、適正な評価ができませんし、部下を育成することもできません。ここでは、人事考課や目標管理を導入して1年になりますが、少しずつ前進していることが感じられます。福岡には、今月あと2回行くことになっており、うち1回は日帰り出張となりそうです。

 午後、自宅近くに昨日オープンした書店(蔦屋書店)に行ってみました。入口近くに来年の手帳がずらりとならんでいました。今年から超整理手帳を使っているのですが、他に良さそうなものがあれば来年は変えてもいいかと思っています。ざっと見たところ、どれも一長一短あり、決め手がないので、引き続き超整理手帳を使うかもしれません。独立してから、手帳なしの生活は考えられなくなってしまいました。

 来週は、また多忙な週となっており、パワハラ研修、大手企業への取材・原稿執筆、クライアントとのミーティングなどが続きます。その準備のために、今日明日も自宅でパソコンに向っています。

 先日来、パワハラから心の病を患い、自殺した労働者の労災認定ケースが目につくようになりました。先日の毎日新聞にも記事が掲載されていましたので、ご紹介したいと思います。

自殺社員はうつ病発症が業務に起因と認定(10月30日 毎日jp)

 中部電力(本店・名古屋市)に勤務していた愛知県内の男性(当時36歳)が過労などを理由に自殺したのは労災だとして、妻(43)が名古屋南労働基準監督署長を相手取り、遺族年金などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が31日、名古屋高裁であった。満田明彦裁判長は、1審・名古屋地裁判決同様、自殺の原因となったうつ病発症が業務に起因したと認定し、同署長側の控訴を棄却した。

 判決によると、男性は99年8月、主任に昇任して多忙になり、休日出勤などを余儀なくされた。また上司から結婚指輪について「ちゃらちゃらしたものつけるな」と指示されたり、社員の前で「お前なんかいなくても同じだ」と怒鳴られるなどしてストレスが増大。同9月にうつ病を発症し同11月に焼身自殺した。

 1審は業務とうつ病の関係性を認めたが、同署長側は「うつ病は業務外で発症した」と控訴。満田裁判長は「うつ病を発症されるに足る危険性があった。うつ病により正常な認識や行動選択能力が阻害された」と判断し、署長側の主張を退けた。また、上司が男性に取った言動を「合理的理由がない、単なる厳しい指導の範ちゅうを超えている」として「パワーハラスメント」と認めた。

 ▽愛知労働局の話 国側の主張が認められず残念。今後の対応は関係機関と協議して決めたいと思います。(了)


 こういった判決が続くと、国のほうもパワハラ対策に重い腰をあげざるをえないと思います。問題山積の厚生労働省がパワハラ防止に関する法律の制定などこの問題にどう取り組んでいくのか、注視したいと思います。

 いくら裁判に勝っても、亡くなった方はもう戻ってきません。死んだら終わりです。このような悲しい事件が1つでもなくなるようにメンタルヘルスの問題も含め国、使用者、労働組合その他関係者がそれぞれの立場で真剣に対策を考えていくべきだと思います。


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2007年10月18日

労働保険審査会がパワハラ自殺を労災認定

こんにちは。今日は晴れて気温が上がりました。昼間外出したのですが、結構汗をかきました。一気に冬に突入かと思いましたが、今日は秋らしい日でよかったです。今週は、来週に備えて事務所で遅くまで仕事をしています。土曜日に山梨、週明けの月曜〜火曜日は成田に出張しなければならず、その後も結構ハードな仕事が待っています。過重労働にならないように気をつけながら、乗り切っていきたいと思います。

 さて、先日上司のパワハラによる自殺が労災に認定された記事をご紹介しましたが、今日もまた同じような記事がありました。今回は裁判所ではなく、労働保険審査会が労働基準監督署の処分を取り消したということです。以下、時事通信の記事を引用します。

労働保険審査会がパワハラによる自殺過労死を労災認定(10月18日 時事通信)

 盛岡市の自動車部品販売会社「日産部品岩手販売」に勤務していた男性=当時(31)=が自殺したのは、過重なノルマや上司の強い叱責(しっせき)などが原因として、労働保険審査会は18日までに、盛岡労働基準監督署長などが出した遺族補償給付の不支給処分を取り消した。審査会は「売り上げ目標も高く、叱責による心理的負担はパワーハラスメント(職権を背景とした嫌がらせ)を受けているような状況」と認定した。

 記者会見で男性の父親(69)は「半分以上あきらめていたが、認められうれしい」と語った。

 裁決書などによると、男性は1996年に入社。99年8月に盛岡営業所に配属されたが、営業経験がないにもかかわらず厳しいノルマが課され、休日出勤も強いられた。さらに上司の営業部長から、ノルマ不達成などを理由に、毎日のように「辞表を書け」「やる気があるのか」などと叱責され、重度のストレスが原因で、同年12月に自殺した。(了)

 このところ、立て続けに労働基準監督署の不支給処分が覆されています。こういった流れを見ていると、今後は労災と認められるケースが増えてきそうですが、残念ながら亡くなった方はもう戻ってきません。

 こういった事件が起きないように防止策を真剣に考える必要があります。内部に相談窓口を設けることも一案ですが、上司・部下の関係では、下からはなかなか相談できないと思います。研修や啓蒙活動で、パワハラ上司に気付きを与え、認識を改めてもらうかが大事だと思います。

 職権を持った管理職が加害者となるため、その上の立場の経営陣がこの問題に対して正しい認識を持ち、問題があるケースには断固たる姿勢を示すことも大事だと思います。いくら営業で実績をあげていても、マネジメントができない人間性が欠落している管理職は失格だと明言することが、これらの悲劇を少しでも少なくする第一歩かと思います。


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2007年10月16日

パワハラ苦で自殺 東京地裁が労災と認定

 こんばんは。今週は嵐の前の静けさといった感じの週になっています。来週・再来週に大きな波が押し寄せるため、今のうちにどれだけ準備できるかにかかっています。若干風邪気味ではありますが、市販の風邪薬で悪化を食いとめて、気力で頑張ろうと思います。

 さて、先程夜のテレビニュースでも報道していましたが、パワハラによる自殺が裁判所によって労災と認定されたという記事をご紹介したいと思います。

パワハラ苦で自殺 東京地裁が労災と認定(10月15日 Sankei WEB)

 製薬会社「日研化学」(現・興和創薬、東京都中央区)の静岡営業所に勤務していた男性=当時(35)=が自殺したのは、上司の暴言など「パワーハラスメント」(パワハラ)が原因だとして、男性の妻が労災を認めなかった静岡労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。渡辺弘裁判長は上司の暴言が自殺の原因になったことを認め、国に処分の取り消しを命じた。

 原告の代理人弁護士によると、パワハラを自殺の原因として労災を認定した判決は全国で初めてという。

 渡辺裁判長は、上司のパワハラを「男性の人格、キャリアを否定する内容で過度に厳しい」と指摘。その上で「男性の心理的負荷は、通常の上司とのトラブルから想定されるものよりも重い」と判断し、「男性は仕事のために鬱(うつ)病になり自殺した」と結論付けた。

 判決によると、男性は平成9年から、静岡営業所で薬剤の営業を担当。営業成績が良くなかったことから、14年に同営業所に赴任した50代の係長に「存在が目障り」「給料泥棒」「背中一面にフケがベターっと付いてる。病気と違うか」などとパワハラを受けた。

 男性は14年12月ごろから鬱病の症状を見せ始め、15年3月に自殺した。男性の妻は16年、同労基署に労災を申請したが認められなかった。

 男性の妻は、同社と係長に対して、約1億円の支払いを求める訴訟を起こし、昨年9月に和解が成立している。 妻は日研化学にも賠償を求め提訴したが、昨年和解が成立している。(了)


 正確に言うと、上司によるパワハラからうつ病を発症し、自殺に至った事件について労災が認められたのは、今回が初めてではありませんが、因果関係を立証するのが難しくレアケースのようです。

*)参考記事 
1.パワハラからうつ病を発症し、自殺した事案を労災と認めたもの
2005年10月29日 うつ病で自殺、労災と認定

http://app.blog.livedoor.jp/etashiro1/tb.cgi/50163438

2.セクハラからうつ病を発症し、労災と認められたもの
2007年05月21日 セクハラを労災認定

http://app.blog.livedoor.jp/etashiro1/tb.cgi/50904022

 来週前半、火曜日と水曜日に、それぞれ異なる団体向けにパワハラ防止研修の講師を務めることになっており、ようやく先週末にレジュメ・資料の作成が終わりました。そういったこともあって、このニュースに飛びついた次第です。

 ハラスメントの問題は、本人に意識や自覚がなく、地位の高い人間が加害者となるケースが圧倒的で、それだけに対応がやっかいです。今回のケースのように50代の営業部の管理職あたりは、要注意だと思います。

 「何がパワハラで何がパワハラでないのか」―言葉の上では定義できても、実際現場では、教育的指導との境界線は難しいと思います。結局、この問題に特効薬というものはなく、地道に研修や啓蒙活動を続けていくほかないように思います。


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2007年05月21日

セクハラを労災認定

 おはようございます。今朝も快晴です。1年中こんな日ばかりだといいのですが、少なくとも今週半ばまでは続くようです。昨日のオークスは、最後の直線で一瞬夢を見ましたが、私が買っていた馬「ラブカーナ」は惜しくも3着でした。競馬はサッカーくじと違って、単なる数字のあてものではなく、血のロマンがあり、ドラマがあります。今週末のダービーで今春のドラマはクライマックスを迎えます。今週は日経新聞とともにサンケイスポーツも熟読することになると思います。

 さて、先週の金曜日の日経新聞に気になる記事がありましたので、遅くなりましたが、ご紹介したいと思います。

セクハラを労災認定(5月18日 日経新聞)

 ファミリーレストラン「デニーズ」の元アルバイト店員で神奈川県小田原市の女性(34)が職場でのセクハラ(性的嫌がらせ)やいじめが原因でうつ病になったとして出した労災申請について、小田原労働基準監督署(神奈川県小田原市)が労災認定していることが17日分かった。

 女性の代理人弁護士などによると、うつ病の労災認定は長時間労働など過労を原因としてものが多く、セクハラに起因するとした認定は全国的にも珍しいという。認定は昨年7月13日付。

 代理人によると、女性は2005年4月、調理担当として同県内の店に採用されて以降、同僚の男性3人から「下着を脱げ」「頭が悪い」と言われるなど、執拗(しつよう)な嫌がらせを受けた。女性は同年11月、重いうつ病と診断され休職。その後、退職に追い込まれ、現在も入院中という。

 女性は、デニーズジャパン(東京)とセクハラをした元同僚3人に慰謝料など計約3千万円を求める訴えを横浜地裁小田原支部に起こした。17日開かれた第1回口頭弁論で、同社や元同僚側は全面的に争う姿勢を示した。同社は同日「裁判の中で主張を述べる」とのコメントを発表した。(了)


 セクハラを受けた人が心に変調をきたすことは十分に考えられます。そういった相談を受けたこともあります。これまで労災認定されるケースは珍しいということですが、今後は申請も認定も増えていくのではないかと思います。

 昨日ご紹介した銀行や今回の外食産業のように、店舗がたくさんある会社では、現場の一つひとつにまで目が行き届かず、よほどしっかりとした社員教育をしていないと、このような事件が起きるリスクは高いと思います。そういえば、「ペッパーランチ」でも悪質な事件が起こりましたし、外食産業の裏側で何が起こっているのか少々怖い気がします。


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2007年05月17日

過労自殺の労災認定が過去最高に

 おはようございます。今日は朝から雨。久しぶりに傘をさして出勤しました。強い雨でもないですし、たまにはこんな雨もいいですね。あと2〜3週間で梅雨入りでしょうか?

 昨日、勤務していた会社に出てみると、先日同社の診療所で受けた健康診断の結果が届いていました。社会人になって22年目で初めて再検査となってしまいました。たいしたことはないと思いますが、これを機に健康第一を徹底させようと思います。(どうも内視鏡検査は避けられないようで、少し憂鬱です。)

 さて、今朝の日経と産経新聞に、過労自殺の労災認定が増えているという記事がでていましたので、ご紹介したいと思います。
 
過労自殺、最多の66人・06年度の労災認定、精神障害も急増(5月17日 NIKKEI NET)

 過労や仕事のストレスが原因で自殺(未遂も含む)したとして、2006年度に労災認定された人は前年度より24人多い66人で、過去最多となったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。過労自殺を含む精神障害の認定者数も大幅に増加し、年代別では働き盛りの30代が40%を占めた。

 厚労省職業病認定対策室は「労働環境は依然厳しい。求められる仕事量が増えているのに職場のサポートが不十分で、社員が過労自殺に追い込まれるケースが増えている」と分析している。

 精神障害の労災補償請求者数は、前年度比24.8%増の819人で、認定者数は同61.4%増の205人。うち未遂を含む自殺の認定は前年度の42人から66人に増えた。認定者を年齢別にみると、30代が83人で突出して多く、全体の4割を占めた。次いで20代(38人)、40代(36人)の順。職種別では専門技術職(60人)が最も多く、事務職(34人)、技能職(33人)と続いた。男女別では女性が31%を占めた。(了)

 
 日経では社会面に掲載されていましたが、産経では総合面に掲載されていました。記事の内容はほぼ同じです。昨晩のNHKのニュース番組でも報道していました。帰宅したばかりでよく見ていないのですが、過労自殺した人の親がインタビューに答えていました。

 厚労省の分析コメントにあるように「職場のサポートが不十分」であることが大きな要因だろうと思います。職場のサポートとは何か?上司の指導もありますが、周囲の人たちとのコミュニケーション、直接対話だろうと思います。景気の回復と人材不足により一人当たりの仕事量が減ることは期待できないと思います。そういった状況を踏まえて、企業が本腰を入れて対策を考えないと、この傾向は続くのではないかと思います。

*)参考記事
2006年08月21日「心の病、30代社員に急増 企業6割で『最多の世代』」
http://app.blog.livedoor.jp/etashiro1/tb.cgi/50682834
2007年05月15日「スズキ元社員過労自殺訴訟で和解」
http://app.blog.livedoor.jp/etashiro1/tb.cgi/50887753


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2007年03月29日

社内飲み会後の帰宅中の転落死を労災認定

 おはようございます。今朝は、鼻づまりがひどくて目が覚めました。花粉症は一旦治まっていたのですが、ここ数日また出てきました。杉の花粉は終わったということですが、別の花粉なのでしょうか。起きたときよりは、ましになってきましたが、何となく嫌な感じです。

 さて、今朝の日経新聞に、通勤災害に関する記事がでていましたので、ご紹介したいと思います。

「社内飲み会も業務」・帰宅中の転落死を労災認定(3月29日 日経新聞)

 勤務先の会社内で開かれた飲み会に出席後、帰宅途中に地下鉄の駅の階段で転落死した建設会社部次長の男性=当時(44)=について、妻が「通勤災害で労災にあたる」として、遺族補償などを不支給とした中央労働基準監督署(東京)の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、労災と認めた。

 訴訟で労基署は「会合は業務ではない。飲酒量も相当あった」と主張したが、佐村浩之裁判長は「酒類を伴う会合でも、男性にとっては懇親会と異なり、部下から意見や要望を聞く場で出席は職務。飲酒は多量ではなく、酔いが事故原因とも言えない。降雨の影響で足元も滑りやすかった」と判断した。

 判決によると、男性は1999年12月、東京都中央区の勤務先2階で開かれた会議の後、午後5時ごろから6階で開かれた会合で缶ビール3本、紙コップ半分ほどのウイスキーを3杯飲んだ。

 午後10時15分ごろに退社し、約10分後、地下鉄日比谷線築地駅入り口の階段で約18段下の踊り場まで転落。頭を強く打ち、病院に運ばれたが死亡した。(了)


 妥当な判決だと思います。この場合は、社内での飲み会で、会議の後の部下からの意見や要望を聞く場であったということですから、業務と認められてしかるべきだと思います。

 個人的には、このようなケースでの通勤災害はもう少し広く認められてもよいのではないかと思います。例えば、仕事が終わった後、上司が部下を誘ってコミュニケーションを取るために居酒屋で軽く飲んだ後の帰宅途中の災害なども、通勤災害と認められてもよいと思います。

 (夜の接待や休日の接待ゴルフに伴う災害や事故なども、過去の判例に縛られずに、広く労災や通勤災害と認める方向に見直されるべきではないでしょうか。会社の仕事の一環で、顧客と酒を飲んだり、ゴルフをしたりしているわけですから。。。)

 このようなケースを裁判で争わなくてもよいように、労働基準監督署の判断基準を再検討する必要があるように感じます。また、感情論になってしまいますが、被災者やその家族のことを、その立場になって考えることも必要かと思います。


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2007年03月16日

【通算900号】小児科医の過労自殺を労災認定

 こんばんは。今日は朝一番に、元・人事労務屋の企業訪問(「労務事情」産労総合研究所)の取材で、都内にある大手IT企業に行きました。その企業のメンタルヘルス対策について小1時間話をお聞きしました。「ここまでやるのか」と正直脱帽しました。障がい者雇用もそうですが、メンタルヘルス対策もうまくいっている企業には必ずまじめで情熱的な担当者が存在することを認識しました。元・人事マンとしてエールを送りたい気持ちになりました。

 メンタルヘルスの問題は、採用・教育の問題と並んで、昨今大きく取り上げられています。最近、私の目は、採用・教育のほうにいきがちですが、メンタルヘルスのほうにも向けておく必要があると思っています。

 それと関連しますが、昨日の新聞各紙で、小児科医の過労自殺に関する判決が取り上げられていましたので、ご紹介したいと思います。朝日新聞は1面のトップに掲載していました。

小児科医自殺は「労災」・東京地裁「激務でうつ」認定(3月15日 NIKKEI NET)

 立正佼成会付属佼成病院(東京・中野)の小児科医、中原利郎さん(当時44)が自殺したのは過労が原因として、妻(50)が新宿労働基準監督署に遺族補償給付の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。佐村浩之裁判長は「仕事のストレスでうつ病になり自殺した」と労災と認め、不支給処分を取り消した。医師の自殺を労災を認めた判決は二例目という。

 判決によると、中原さんは1999年2月に同病院小児科部長代行に就任。同僚の医師の相次ぐ退職で、月8回の泊まり勤務など激務を強いられた。管理職としての精神的負担も重なり、同8月、病院の屋上から飛び降り自殺した。妻は2001年9月、労災保険法に基づく遺族補償給付を請求したが、新宿労基署は労災と認めなかった。

 佐村裁判長は判決理由で、宿直勤務体制は疲労回復できる睡眠時間を確保するのは困難で月八回の宿直は「相当なストレス要因となった」と指摘。全国的な小児科医師不足の中で補充医師の確保もままならず、「管理職として特に心理的負荷がかかった」と述べた。(了)


 過重労働による潜在的な「うつ」の人は、企業の中にかなりの数いるのではないでしょうか?企業のかかえる労務リスクの中で最も高いものの一つだと思います。

 自分の若い頃を振り返ると、相当な激務をこなしていたと思いますが、仕事の先が見えているときは疲れは感じませんでした。自分が何をやっているのかわからない、この先の展望が開けないなどの状況が加わると、一気に疲れが倍加し、精神的にも追い込まれていきました。

 長時間労働を決して認めるわけではありませんが、職場のコミュニケーションが良ければ、最悪の事態にまで進むことはないように感じます。


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2006年11月12日

【800号】日亜化学が請負1600人を雇用へ

 おはようございます。今回の記事で、800回目の投稿になります。2年2ヶ月で800回ですので、ほぼ1日1回更新していることになります。毎日更新をコミットしているわけではありませんが、出来るだけ多くの情報を発信していきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

 さて、昨日の朝日新聞に偽装請負に関する記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

日亜化学、請負1600人を雇用へ 正社員の道も(11月11日 asahi com)

 徳島県阿南市に本社のある国内最大の発光ダイオード(LED)メーカー「日亜化学工業」(小川英治社長)は10日、同社工場で働く請負労働者約1600人ほぼ全員について、勤続年数3年を超えた人から順次契約社員として直接雇用する方針を決めた。徳島労働局は昨年、同社での請負労働は実態は派遣労働で労働者派遣法違反の「偽装請負」にあたるとして、是正を指導していた。同様に偽装請負を指摘され、直接雇用に踏み切る企業が相次いでいるが、日亜は人数で最大規模となりそうだ。

 請負労働者の一部が加入する全日本金属情報機器労組(JMIU)と同社が10日、徳島県の立ち会いのもとで合意した。日亜側は合意についてコメントしていないが、違法の疑いのある労働実態解消のため決断したとみられる。

 JMIU側が明らかにした合意内容によると、同社は12月1日時点で勤続3年に達している約200人を同日付で雇用し、それ以外の人も3年に達した時点で切り替える。採用選考では面接や筆記試験も実施するが、「勤続経験を最も重視する」ことを約束したといい、労組側は「ほぼ全員が自動的に直接雇用される」と受け止めている。

 契約は1年ごとの更新で最長3年だが、日亜は正社員採用の機会も保証。「中途入社」の社内規定に基づき半年ごとに適性を判断するという。

 同社の約1600人の請負労働者は、いずれも同県内の人材派遣会社と契約。派遣会社が日亜と請負契約を結び、阿南市内の工場で携帯電話の液晶表示バックライトなどの製造に従事していた。このうち19人が10月、不安定な労働条件のまま同社工場での勤務が長期間にわたっているなどとして直接雇用を同社に申し入れ、徳島労働局にも是正指導を要請。同局が再調査を進めていた。

 労働者、日亜双方から事情を聴いた同県商工労働部が、10日の協議を設定。早期の問題解決を望んだ日亜側が歩み寄り、合意に至ったという。

 JMIUは「3年が必要という問題はあるが、就業期間を最重視して直接雇用の道をつくり、正社員への道も開く大きな前進。労働者に将来の展望を与えるもの」などとする声明を出した。

 日亜化学工業は1956年創業。現在、資本金165億円、グループ内の従業員約4000人。海外にも拠点を持ち、近年は年間2000億円前後の売上高を計上している。青色LEDの発明をめぐる元研究員の中村修二氏との裁判が注目された。(了)


 偽装請負問題が表面化して以来、企業の対応は様々ですが、日亜化学のやり方は労働組合も評価しているように、かなり評価できるものではないでしょうか?契約社員としての雇用ですので、労働者側からするとベストではないかもしれませんが、企業側からすると1600人もの人を直接雇用するには、いきなり正社員というわけにもいかず、妥当なところだと思います。

 正社員への転換は、半年ごとに、適性を判断して実施されるものと思います。どの程度の割合で転換されるのか、今の段階で言うのは難しいと思いますが、基準をできるだけオープンにして、労働者に安心させることが必要だと思います。

 日亜化学とは別のやり方で問題化している事例の記事を下記しますので、ご参考にして下さい。

2006年10月30日 松下電器の請負会社への出向は「違法」
http://app.blog.livedoor.jp/etashiro1/tb.cgi/50745153


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2006年11月06日

厚労省が労災隠しを監視

 おはようございます。3連休が終わり、今日から通常の仕事のパターンに戻ります。今週は、勤務していた会社での会議出席、他のクライアントさんでの打合せ、そしてクライアント先での管理職研修の講師役と、色々な仕事が待ち受けています。とはいえ、自分の仕事は、相手先が違うだけで、本質は同じです。仕事を続けていきつつ、専門性を高めていきたいと思っています。

 さて、今朝の日経新聞に興味深い記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

社保庁から情報提供・労災届け出ず健保で受診(11月6日 NIKKEI NET)

 厚生労働省は来年度から仕事でけがをしながら労災を届け出ず健康保険で受診した労働者の情報を社会保険庁から提供してもらい、事業所の調査に活用する方針を固めた。労災事故を隠そうと、労災保険でなく健康保険での受診を労働者に強要する事業主が多いため。厚労省は健康保険の受診情報が集まる社保庁と連携して、事業所の「労災隠し」を監視する。

 厚労省によると、事業所の調査は定期的な監督のほか、労働基準監督署への労災保険適用の申請と、労働者本人や家族からの通報を頼りに実施している。(了)


 新聞によりますと、各都道府県にある社会保険事務局は診療報酬明細書など健康保険適用者の情報を集め、労災と疑われるケースについて、業務上での傷害ではないか受診者に確認しているが、労災が疑われる健康保険適用者は年6万人程度に達するということです。

 また、厚生労働省はこれら労災保険を使うべきなのに健康保険で受診した人の情報を社保庁から得られれば、事業所の労災隠しに対抗できるとみており、実際は派遣労働なのに請負契約を装うことで、労災の責任を委託側が回避しようとする違法な労働形態「偽装請負」の摘発にも繋げたいと考えだということです。

 社保庁も労働局も同じ厚生労働省内の組織ですから、是非こういった情報交換を進めて、実効が上がるようにして戴きたいと思います。これだけ偽装請負が社会問題化している最中、来年度まで待つことなく、効果があると思われることは、すぐにやったほうがよいと思いますが、如何でしょうか?


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2006年10月31日

元社員自殺でスズキに賠償命令

 おはようございます。私は、よほどの二日酔いにならない限り、毎朝5時半に起きて、6時頃に自宅をでます。その30分弱の時間にテレビのニュースを聞いているのですが、連日いじめによる子供の自殺が報道されています。自殺は伝染すると聞いたことがあります。個人的な印象ですが、過剰な報道により自殺が連鎖しているようなことはないでしょうか?中学2年の子供を持つ親として心配しています。

 子供の自殺も大変辛いことですが、大人の自殺もとても辛いものがあります。昨日、過労自殺による判決が出ていますので、ご紹介したいと思います。

元社員自殺、スズキに5867万円支払い命令・静岡地裁支部(10月31日 NIKKEI NET)

 自動車メーカーのスズキ(静岡県浜松市)に勤めていた小松弘人さん(当時41)が2002年に自殺したのは過酷な業務やストレスが原因として、同市の両親がスズキに約9100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、静岡地裁浜松支部は30日、過労による自殺を認め、同社に約5867万円の支払いを命じた。

 酒井正史裁判長は「月平均で約100時間もの時間外労働をさせ、上司がうつ病の発症をうかがわせる事実を認識しながら何ら措置を取らなかった」と指摘、安全配慮義務の違反を認めた。

 判決によると、小松さんは1983年に入社し、座席シート部門に勤務。02年2月に四輪車体設計部門の責任者(通称課長)に就任後、仕事の重圧や長時間労働などからうつ病を発症し、同年4月、会社の屋上から飛び降り自殺した。

 母親の小松やえ子さん(69)は「一生懸命、働いた上に命まで捨てた息子の無念を晴らすことができた」と話した。(了)

 
 会社側は、「自殺は業務が原因ではない」と主張しており、今回の判決を遺憾として、今後のことは判決文を見た上で慎重に対処するとしています。私も判決文など詳しい資料が手元にないので、この判決についてのコメントは控えます。

 人事担当者から話を伺う機会が多いのですが、景気の回復等による人手不足により、2、3年前よりも残業が増えているという会社が多いと感じます。月100時間以上残業している社員がいる会社も多いことと思います。スズキ事件は、決して他人事ではないと肝に銘じておくべきだと思います。

 残業問題を放置しておくと、社員を不幸のどん底に陥れ、会社の信用を失墜させる可能性があります。厚生労働省の指針等を下記しますので、もしまだのところは、これに沿って対策を立てて戴きたいと思います。明日はわが身かもしれません。

労働者の心の健康の保持増進のための指針について(平成18年3月31日付厚生労働省発表)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0331-1.html

過重労働による健康障害防止のための総合対策について(平成18年3月17日付基発第0317008号)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/roudou/an-eihou/dl/ka060317008a.pdf


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2006年10月30日

松下電器の請負会社への出向は「違法」

 おはようございます。昨日は、BSで放映された「たくろう&かぐや姫のつま恋コンサート」をずっと見てしまいました。本当は見ている場合ではなかったのですが、ついついやめられなくなってしまい、昼と夜合計4時間テレビの前に釘付けでした。前回のつま恋のコンサートが開催された30年間、私は福岡県の田舎町の中学3年生。フォークソングの大ファンでした。歌声を聞いていると、たくろうもこうせつも昔のままでした。30年といっても、ついこの前のような気がします。

 さて、週末の朝日新聞に、またまた偽装請負に関する記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

請負会社への出向「違法」 厚労省、松下電器を指導へ(10月28日 asahi com)

 松下電器産業の子会社「松下プラズマディスプレイ」(MPDP)の茨木工場(大阪府茨木市)で働く松下の正社員が請負会社に大量に出向していた問題で、厚生労働省は、出向の実態が職業安定法に違反する労働者供給事業にあたるとの判断に達し、近く松下本体に対し、是正を求めて行政指導する方針を固めた。請負会社への正社員の出向は、「偽装請負」を禁ずる法の網の目をかいくぐる手法として、他の大手製造業にも広がる可能性があったが、これで歯止めがかけられる見通しとなった。

 関係者によると、松下電器は今年5月、MPDPに出向させていた正社員約200人をいったん自社に戻し、改めて複数の請負会社に出向させた。グループ企業でもなく、直接の資本関係もない請負会社に正社員を大量に出向させるのは異例だが、松下は技術指導を目的に出向させたと説明していた。しかし、出向した社員は、MPDP茨木工場の製造ラインで、技術指導だけでなく、自らも直接製造に携わっていたという。この手法を使えば、松下の出向社員が請負会社の労働者を指揮命令しても同じ請負会社の中でのやりとりになり、「偽装請負」と指摘されにくくなる。

 プラズマテレビの円滑な製造には松下の出向社員が製造ラインで働くことが不可欠な状況だった。通常の出向には合致しない実情があり、厚労省は、職安法で禁じられている「労働者供給事業」にあたると判断した。(了) 


 最近、偽装請負の事例がマスコミで頻繁に取り上げられているせいか、出向、請負、派遣などに関し、違法行為かどうか確認して欲しいという相談が増えてきました。特に、出向に関しては、法律で直接規制されておらず、判断が難しいケースがあります。

 上記の新聞記事の中の、「グループ企業でもなく、直接の資本関係もない請負会社に正社員を大量に出向させるのは異例だが、」、「通常の出向には合致しない実情があり、」という部分が判断基準になるように感じます。一般の常識で考えて許される行為かどうか、まずはそこを疑ってみるとよいのではないでしょうか?


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2006年10月24日

アスベスト対策の講演をします

 おはようございます。今日は、関東地方は大荒れの天気となるようです。朝は、あまり降っていませんでしたが、これから風雨が強まるのでしょうか?

 さて、今日は、神奈川県労働福祉課殿からの依頼で「アスベスト対策」の講演をすることになっています。8月頃に依頼を受けて、少しずつ準備をしてきました。その集大成を神奈川県の企業の人事担当者に発表することになります。場所は、東急田園都市線「溝の口」、JR南武線「武蔵溝ノ口」の近くの川崎労働センターです。

神奈川県労働福祉課 労働講座
2006年10月24日(火)18:15〜20:15 会場:川崎労働センター
「アスベスト対策」講座

*)過去のアスベスト関連の記事は下記URLよりご参照下さい。
http://blog.tashiro-sr.com/archives/cat_281503.html

 企業の人事労務担当者(限定)で、アスベスト対策に興味のある方は、明日以降、本日の講演のレジュメ資料を提供したいと思いますので、メールにてご連絡下さい。

 すでに来年の講演や研修の予定が入り始めていますが、4月の新入社員研修の時期が結構忙しくなりそうです。現在執筆中の書籍の発売が来年4月に間に合えばよいのですが。。。


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2006年10月06日

松下子会社が偽装請負

 おはようございます。今朝は嵐の中を出勤しました。最寄駅まで15分歩いただけで相当濡れてしまいました。ズボンや靴下が乾かず、気持ち悪いです。午後外出の予定がありますが、こんな日は事務所でのんびりしたいものです。はやくおさまるとよいのですが。。。

 さて、世の中を騒がしている「偽装請負」の問題は、朝日新聞が連日報道しています。この問題への力の入れ方は、突出している感があります。昨日の記事を引用します。

松下子会社、偽装請負で社員リストラ穴埋め(10月5日 asahi com)

 松下電器産業の完全子会社「パナソニック半導体オプトデバイス」(鹿児島県日置市)が、請負大手「コラボレート」(大阪市)の労働者を、違法な雇用形態である「偽装請負」で今年3月まで働かせていたことが新たに分かった。リストラで大量に抜けた正社員の「穴埋め」を、未熟練な請負労働者で間に合わせようとしたことが、偽装請負を引き起こす要因になったという。

 コラボレートは、別件の偽装請負に絡んで3日に事業停止命令を受けている。デバイス社の工場をめぐっては今年3月、請負実態の報告を求めた大阪労働局に対し「特に問題ない」とする報告書を提出していた。この報告書が適正かどうかを調べるため、同労働局は近く実態調査に乗り出す方針だ。

 デバイス社によると、昨年8月以降、早期退職制度を利用して辞めた正社員が予想を上回る200人以上にのぼった。半導体部品の製造部門の一部でラインを動かす人手が足りなくなり、以前から取引のあったコラボレートに請負契約で労働者を供給するよう要請した。

 その結果、要請前は約100人だったコラボレートの請負労働者は2倍に増えた。

 請負契約が適正と認められるには、コラボレートがデバイス社側の指揮命令がなくても注文品を完成できることが必要だ。

 しかし、穴埋めに入った請負労働者の習熟度は十分でなく、一部のラインでデバイス社の社員が指揮命令をして請負労働者を使う「偽装請負」の状態が3月末まで続いたという。こうした就労形態は労働者派遣にあたり、請負契約のままだと、法令違反となる。

 また、請負代金の請求書の一部は、請け負った製品の単価計算ではなく、労働者の人数に時給と労働時間を掛け合わせて算出されており、派遣契約の支払い形態がとられていた。

 デバイス社は「早期退職制度で、社員が足りなくなり、請負をお願いした。(法令への)認識不足と相まって、3月末まで(コラボレートの労働者を)指揮命令する状況が残ってしまった」と話し、正社員による指揮命令が必要なラインは派遣労働者に切り替えているという。

 一方、コラボレートは大阪労働局に提出した報告書について「うその報告をしたつもりは全くない。90%以上改善できていることで完了したと判断した」と説明した。

 これに対し、大阪労働局は「正確な報告を求めていた」といい、報告書が適正に作成されたかどうか調べる。(了)


 最も大きな問題は、製造業の工場で「(偽装)請負」が増加し、労働災害が発生しやすくなっていることだと思います。厚生労働省は発注元のメーカーに対し、下請け、孫請けの企業名やその責任者を把握し、請負会社を交えた協議会を設置するよう求めています。

 8月に出された指針によると、「メーカーは、請負会社との間や請負会社同士の連絡調整を統括する管理者を選任する。一方、受注側の請負会社は、下請け、孫請けに至るまで、各社ごとに責任者を置き、メーカーに通知する。それらの責任者が参加する「協議会」を設け、定期的に開催する。協議結果は労働者に周知する。」ということです。

 なぜかテレビや新聞では報道されない、重大な事故が多発している現場の実態を聞いたことがあります。地方の大企業には、役所も対応が及び腰になるケースもあるようです。新聞報道されているのは氷山の一角であり、まだまだ多くの闇があるような気がします。


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2006年09月21日

アスベスト新法の申請中に170人が死亡

 おはようございます。今朝は早く事務所に行って、仕事をする予定でしたが、東急田園都市線が車両故障で遅れてしまい、予定が狂いました。田園都市線は色んなトラブルでよく遅れます。朝夕のラッシュも年々ひどくなっていますし、いつか大変な事故が起きるのではないかと心配しています。東急ファンとしては残念です。

 さて、来月24日に、神奈川県のほうから「アスベスト対策」の講演の依頼を受けています。やんわりとお断りをしようとしたのですが、引き受けたからには、きちんとやらなければと思い、色々と情報を収集しています。

 昨日のasahi comにもアスベストの健康被害に関する記事が出ていました。

石綿新法、救済申請中170人が死亡 受け付け半年(9月20日 asahi com)

 「石綿による健康被害の救済に関する法律」(アスベスト新法)の申請受け付けが始まって半年となる20日までに、患者1160人が申請し、そのうち認定の可否の決定を受けられないまま170人が亡くなっていることが、環境再生保全機構(川崎市)の集計で分かった。申請者のうち認定された人も約2割の242人(12日現在)にとどまっている。被害者や支援団体からは「迅速な救済を図るとした法律の趣旨が守られていない」との批判があがりそうだ。

 石綿新法は今年2月に成立。石綿による被害と認定された中皮腫と肺がんの患者に医療費や療養費を支給するなどとしており、受け付けは3月20日から同機構や保健所などで始まった。

 機構によると、8月末現在の認定申請者数は中皮腫764人、肺がん343人の計1160人(不明分含む)。まだ認定を受けていない人の多くが医学的判定待ちか、判定の過程で保留とされており、その間に亡くなった「申請中死亡者」は中皮腫と肺がん合わせて計170人だった。

 中皮腫の場合、潜伏期間が長い一方で、発症後は1、2年で死亡することが多いとされる。今回判明した死亡者数は、遺族が別の救済給付を受けるための「申請中死亡者にかかる決定申請書」を機構に提出した数で、実際の死亡者数はさらに多い可能性もある。(了)


 昨日の過労自殺の労災の記事でも指摘しましたが、ここでも更に「迅速な救済」が求められていると思います。半年間で申請者の1割が亡くなっているように、中皮腫の場合は、残された時間との戦いになってきますので、尚更です。

 昨年あれだけ騒がれたアスベスト問題は、水面下でじわじわ拡大しているのに、下火になってきたように感じます。私の事務所があるニュー新橋ビル前の蒸気機関車もアスベストの除去作業をするために、囲いができました。一般の人は、こういうのを見て、アスベストのことを思い出すくらいでしょうか?

 超多忙な中で、どれだけの準備ができるか不安ですが、来月の講演の準備に向けて、アンテナを張っておこうと思います。


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2006年09月20日

退職1カ月後の自殺、労災認定が確定

 おはようございます。今日も快晴です。今週から来週にかけて、福岡(コンサル)と岡山(講演)に出張する予定です。東京のクライアントの仕事も火を噴いており、しばらく多忙な日々が続きます。原稿も書かなければなりませんし、家庭にも目を配らなければなりません。こういうときに限って、新規の案件がきたりします。まあどこまでやれるか自分の限界を試すのもいいかもしれません。

 私の場合は、いくら過労が祟って、過労死や過労自殺をしても労災は問題になりませんが、労働者の場合は、労災に認定されるかどうかは大変大きな問題です。そういった話題を今朝の日経新聞から引用します。

退職1カ月後の自殺、労災認定が確定・国側控訴断念(9月20日 NIKKEI NET)

 過労のため保育所を退職して1カ月後に自殺した元保育士(当時21)の両親が労災認定を求めた行政訴訟で、国側は19日、「自殺は過酷な労働が原因」と認めた東京地裁判決に対し、控訴しないことを決めた。退職後の自殺について業務との関係を幅広く認めた判決が確定、兵庫・加古川労働基準監督署は近く労災認定する。退職後1カ月過ぎて自殺したケースでは初めてとなる。

 訴えていたのは神戸市の経営コンサルタント、岡村昭さん(70)と妻の紀子さん(67)。

過労自殺、救済拡大に期待(9月20日 日経新聞)

 退職後1ヵ月後に自殺したケースで過労自殺と認定した東京地裁判決が確定したことについて、過労死弁護団全国連絡会議の代表幹事、岡村親宜弁護士は「退職したことで表面的には元気に見えても、うつ病などは簡単に治らないことを認めた意義は大きい」と今後、過労自殺の救済拡大に期待する。

 厚生労働省によると仕事が原因でうつ病など精神障害を発症したうえ、自殺を図ったとする労災請求は昨年度は147件。1999年度の97件に比べて約1.5倍に増加、認定件数も11件から42件に増加したが、同省は「業務から離れれば心理的負担は一般的には解消される」としており、「退職1ヵ月も過ぎて認定されたケースはない」という。

 特に今回は過労自殺から認定まで13年あまりかかっている。岡村弁護士は「労災は被害者・遺族の迅速な救済が目的」とした上で、「今回のように過労自殺から認定までに10年以上もかかる事態は繰り返すべきではない」と訴えている。(了)


 最後の岡村弁護士のコメントの通りだと思います。自殺と業務との因果関係の証明は難しいとは思いますが、「迅速な救済」という視点が重要だと思います。

 人事担当者時代に、マスコミにも取り上げられた通勤時の災害(従業員が帰宅途中に何者かに襲われ、瀕死の重傷を負った事件)に対して、通勤災害申請をしたことがあります。このときは、通勤災害が認められるまで非常にスムースでした。労働基準監督署の方も、この悲惨な事件に対して何とか認めてあげようという姿勢が感じられ、心から感謝しました。

 過労自殺と通勤災害を同列に論じることはできませんが、「迅速な救済」をお願いしたいと思います。被災者側に立って走り回った経験から、このことを強く感じる次第です。


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2006年09月10日

アスベストによる健康被害

 おはようございます。横浜地方は朝から晴天です。今日は、最高気温が34度くらいまで上がるという予報です。真夏が復活した感じです。

 私の地元の神奈川県川崎労働センターからの依頼で、10月24日にアスベスト対策の講演をすることになっています。まだ何も手をつけていませんが、関連情報の収集をしているところです。

 昨日の日経新聞にも記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

中皮腫による死亡、2年連続900人台(9月9日 NIKKEI NET)

 2005年の1年間にアスベスト(石綿)の吸引が主な原因とされるがん「中皮腫」で死亡した人は、過去最多の04年よりも42人少ない911人だったことが8日、厚生労働省の人口動態統計でわかった。年間死亡者数は7年ぶりに減少したが、2年連続で900人台。同省は「05年はインフルエンザが流行し、中皮腫を患う人がインフルエンザで亡くなるケースもあったとみられ、減少は一時的では」とみている。

 統計によると、05年の911人は過去2番目に多い水準で、10年前の約1.6倍。内訳は男性722人、女性189人で、04年から男性は7人、女性は35人減少した。(了)


 この他、共同通信にアスベストによる健康被害に関する情報がありました。

● 三菱重工業 石綿補償の年齢制限撤廃
 三菱重工業は1日、アスベスト(石綿)による健康被害で死亡した元社員に支給する補償金の年齢制限を8月 15 日に撤廃したことを明らかにした。労災や石綿新法の認定を受けた元社員には年齢に関係なく、補償金 2,100 万円、弔慰金 100 万円を支給する。

 これまで同社は 81 歳以上で死亡した場合、補償金を支払っていなかったが、石綿の潜伏期間が長期にわたることを考慮。労働組合からの要求もあり、制限を撤廃することにした。

 同社によると、今年6月末現在で石綿被害で死亡した元社員は 90 人。同社は「潜伏期間が 20 〜 50 年と非常に長くなるケースもある。本人の自覚なしに病気が進むことも考慮し、年齢で制限することはやめた」(広報)としている。今後、年齢制限のため対象外だった元社員への支給を進める。

 造船関係の企業では、川崎重工業や石川島播磨重工業も石綿被害による死亡時の補償制度を設けているものの、死亡時の年齢が上がるほど支給額が下がるなど年齢で格差がある。(了)

●審査請求で石綿被害を認定 
静岡県富士市の日本食品化工富士工場に勤務し、 2002 年に中皮腫で死亡した同市内の男性=当時( 55 )=について、アスベスト(石綿)被害との関連を認めなかった富士労働基準監督署の決定が、遺族の不服申し立て(審査請求)で取り消され、労災認定されていたことが4日分かった。

 静岡アスベスト被害救済弁護団の大橋昭夫弁護士は「労基署が調査不足だった。審査請求で決定が覆るのは珍しく、他の被害者にとっても意義がある」と話している。

 弁護団によると、男性は 1968 年から 01 年末まで、同工場で保温材やパッキングに石綿が含まれていた機械の保守作業などに従事したが、 01 年7月ごろから体調を壊し、1年後に「悪性胸膜中皮腫」で死亡した。

 遺族の労災申請に対し、富士労基署は今年3月、「パッキングは湿っていて石綿は飛散していなかった」などとして遺族補償給付の不支給を決定。しかし、遺族からの不服申し立てに対し、静岡労働者災害補償保険審査官が8月2日、労基署の処分の取り消しを決定。労基署は男性を労災認定した。(了)


 国や企業は救済の範囲を拡大している方向にありますが、まだまだ不十分だろうと思います。企業の取り組みも、大企業と中小企業では差がでています。これから講演までの時間に色々と調査して、私なりの見解をまとめる所存です。


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2006年08月23日

石綿建材メーカー 遺族に補償

 おはようございます。今日は曇っていますが、やはり暑いですね。午後、品川にある大手企業に「元・人事労務屋の企業訪問」(産労総合研究所「労務事情」の連載記事)の取材に行く予定です。どんなお話が聞けるか楽しみです。

 10月下旬に、神奈川県から依頼により「アスベスト対策」の講演をすることになっています。昨日、アスベスト対策の資料が送られてきました。これから情報を収集し、当日までにはアスベスト対策の専門家になろうと思います。

  神奈川県労働福祉課主催 労働講座
  2006年10月24日(火)18:15〜20:15 会場:川崎労働センター
  「アスベスト対策」講座(公開セミナー)


 今朝のNHKニュースで、横浜市の建材メーカーが、中皮腫で死亡した元従業員の遺族に補償すると伝えていました。以下、内容をご紹介したいと思います。

石綿建材メーカー 遺族に補償(8月23日 NHKニュース)

 アスベストを含む建材を製造していた横浜市の大手メーカー「エーアンドエーマテリアル」は、アスベスト特有のがんである中皮腫で去年死亡した元従業員の遺族に弔慰金2500万円を支払うことを決め、23日にも遺族側と協定を結ぶことにしています。

 エーアンドエーマテリアルは、おととしまでアスベストを含む建材などを製造し、27人の従業員が中皮腫やアスベストによる肺がんで死亡しています。

 このうち、横浜市にあった工場の元従業員で去年中皮腫で死亡した当時61歳の男性について、会社側は、工場で使っていたアスベストと死亡との関係が否定できないとして、男性の妻に弔慰金2500万円を支払うことを決め、23日にも遺族側と協定を結ぶことになりました。また、同じ工場の元従業員で石綿肺と診断された71歳の男性にも、休業補償として1400万円を支払うことにしています。

 エーアンドエーマテリアルは、平成12年に合併によってできた会社で、閉鎖された工場も含め全国の27の工場でアスベスト建材などを作っていた大手メーカーで、今回の補償について「アスベストを扱っていた企業としての責任だ」と話しています。

 アスベストを扱っていた工場の健康被害をめぐっては、大阪の大手機械メーカー「クボタ」などが死亡した従業員の遺族らに補償を支払っています。これについて、被害者の支援団体「アスベストセンター」の永倉冬史事務局長は「アスベストを扱っていた大手企業として補償せざるをえなくなったのだと思う。ただ、補償をする企業はまだ少なく、これからの課題だ」と話しています。(了)


 アスベストによる健康被害の話題は、メディアに取り上げられることが少なくなりましたが、依然として問題は存在しています。

 8月17日付日経新聞では、「住友ゴム工業の旧神戸工場(神戸市)でタイヤ製造に従事し、中皮腫で死亡した同市の元男性社員(当時69)の妻(70)に対し、神戸東労働基準監督署が6月、石綿救済新法に基づく特別遺族年金の支給を認定していた」という記事が出ていました。住友ゴム工業は仕事と中皮腫の因果関係を否定していたが、労基署は元同僚の証言書を考慮したと見られるということです。

 アスベストセンターの事務局長が言うとおり、(大手でも)補償をする企業は少なく、これからの課題が多く残されているようです。


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2006年08月13日

トヨタ系企業が労災隠し

 おはようございます。昨日は、予報の通り、横浜市青葉区も激しい雷雨となりました。ちょうど散髪に行っていたのですが、終わって外に出たら、雷と雨がひどくなっていました。稲妻と雷鳴の中、何とか自宅にたどり着きました。今日も午後、雷雨の予報が出ていますので、外出しないようにしたいと思います。

 さて、最近、朝日新聞では偽装請負の記事が続いていますが、今朝も1面に偽装請負と労災隠しの問題が出ていました。

トヨタ系企業が労災隠し 偽装請負が背景に(8月13日 asahi com)

 トヨタ自動車グループの部品メーカー「トヨタ車体精工」(TSK、本社・愛知県高浜市)の高浜工場で今年3月、請負労働者が全治4週間のけがをしたのに、TSKも請負会社も労働安全衛生法で義務づけられている労災の報告をしていなかったことがわかった。この工場では、TSKが請負労働者に直接指揮命令する「偽装請負」が行われていた。メーカーと請負会社の間で安全責任の所在があいまいになっていたことが「労災隠し」につながった形だ。

 刈谷労働基準監督署は同法違反の疑いがあるとして捜査に乗り出した。

 けがをしたのは、請負会社「大起」(同県岡崎市)の契約社員の男性(21)。男性は乗用車用シートの組み立て作業中、金属製のパイプが右手に落ち、親指を骨折。病院で全治4週間の診断を受けた。事故後の調査にはTSKの工場幹部も立ち会い、男性に当面、清掃作業をするよう指示。男性は翌日、左手を使って掃除したが、痛みが増したため、その後1週間ほど仕事を休んだ。

 労働安全衛生法などは、労災で4日以上休業した場合は労基署にすみやかに報告するよう義務づけている。違反すると50万円以下の罰金。偽装請負の場合、労働者派遣と同じ扱いになり、請負会社と発注元企業の双方に報告義務があるが、TSKも大起も7月に朝日新聞から指摘されるまで報告していなかった。

 大起は労災保険による休業補償の手続きをする代わりに、「出勤扱い」にして男性に給料を支払っていた。同社の担当者は「出勤扱いはTSKの幹部の了承を得ていた」といい、結果的に両社が労災の発覚を免れようとしていた。

 TSKの役員は「現場に休業災害にしたくないという気持ちがなかったといえばうそになる。大起と一緒に労災隠しに加担したといわれても仕方ない」と説明。愛知労働局から指導を受け、8月に請負契約を派遣に切り替え、偽装請負を解消したという。

 一方、大起の担当者は「日頃こうしたことはTSKに相談していた。労災の報告義務のことを知らなかった」と知識不足を認めた。(了)


 労働基準監督署に、労災の報告をすると、偽装請負の実態が明らかになってしまうことから、労災隠しをせざるをえないのですね。トヨタといえども、グループ会社のこのような問題にまでは、目が届かなかったのでしょうか?大手電機メーカーでも、同様の事件を起こしているようであり、まだまだ氷山の一角なのでしょう。今後の展開を見守りたいと思います。


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2006年06月03日

過労による脳・心疾患の労災認定が増加

 おはようございます。昨日は、ライブドアブログのシステム障害により、更新ができませんでした。結局、1日近く使えませんでしたが、これだけ長い期間使えなかったことは記憶にありません。原因究明とそれを踏まえた対策をきちんと立てて戴ければと思います。

 昨日、書こうと思っていた話題を取り上げようと思います。asahi comより引用します。

過労で脳・心疾患、労災認定330人 過去最多(5月31日 asahi com)

 過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などで05年度に労災認定を受けた人は330人で、過去最多だったことが31日、厚生労働省のまとめで分かった。このうち過労死者は157人だった。一方、うつ病などで労災認定を受けた人は127人(うち自殺40人)。脳・心疾患は40〜50代、うつ病などは20〜30代に多かった。

 過労死弁護団の川人博弁護士は「景気が回復しても働く側の負荷は和らいでいない。特に若者はサポートもないまま即戦力としての働きを求められ、不適応をおこす例が目立つ」と指摘する。

 脳・心疾患による労災請求は869人で、前年の816人から53人増。認定も294人から36人増えた。業種別では運輸業や建設業で増加していた。認定された人は50代が前年より22人増の143人、40代も17人増の95人で、40、50代が全体の7割を占めた。

 背景には、慢性的な長時間労働があり、発症前の1カ月または半年の平均で残業が月100時間以上だった人が半数を超え、29人は160時間を超えていた。

 一方、うつ病など精神障害による労災請求は年100件単位で増えており、05年度は656件で過去最多。認定された人のうち30代が39人、29歳以下が37人で計6割を占め、特に20代の増加が目立った。職種ではシステムエンジニアや製造工が多かった。

 都道府県別では、脳・心疾患は東京51人、大阪27人、神奈川17人。精神障害は大阪19人、東京12人、福岡12人の順。(了)


 特に注目したのが、うつ病などの精神障害による労災請求が増加の一途を辿り、20代の増加が目立ったということです。労災請求した人は氷山の一角でしょうから、実際にうつ病などの精神障害を発症した人の数はかなり増えていることと思います。

これに関連し、厚生労働省より平成18年3月31日に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が出されています。下記URLよりご確認戴ければと思います。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0331-1.html

 職場のメンタルヘルス対策をきちんと立てて、それを継続的に実施していけば、完全になくなることはなくても、かなりの効果を上げることができると思います。地道に、継続して、職場風土を変えていく努力が必要だろうと思います。

 私の人事担当者時代の反省として、「継続」できなかったことを悔やんでいます。メンタルヘルス対策だけではなく、あらゆることに通じるのですが、地道に継続して、「定着」させることの重要性を痛感しています。

 6月9日(金)のメンタルヘルスセミナーでは、総合対策を立てて実行することによって一定の成果を上げたが、それだけではダメで、やり続けることの重要性を訴えていこうと思っています。これから始めようとしている企業の担当者に参考になれば幸いです。


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2006年05月13日

過労認定の5人に1人が管理職

 こんばんは。今日は雨で、寒い1日でした。先週冬物をすべてクリーニングに出したので、着るものに困りました。5月でもこんな日があるんですね。夜は家ですき焼きをしました。

 さて、今日の朝日新聞の夕刊に興味深い記事が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

過労認定の5人に1人が管理職 成果主義が影響か(5月13日 asahi com)

 過労が原因で労災認定を受けた人の5人に1人が、労働時間の規制を受けない店長
や工場長ら「管理職」だったことが、過労死で亡くなった人らを分析した東京労働局
の調査で分かった。厚生労働省の統計では、業種別の認定状況しかわからず、管理職
の労災被害の一端が明らかになったのは初めて。管理職は自分で勤務時間をコント
ロールできる建前だが、無理を強いられ、管理職にも過労による被害が広がっている
実態が浮き彫りになった。

 東京都内で過労による労災認定者を出した企業のうち、労働基準監督署が昨年度、
監督に入った48件(被災者48人、うち25人が過労死)を分析した。37人は一
般の労働者だったが、2割超にあたる11人が管理職で、このうち5人が過労死で亡
くなっていた。

 工場長や店長、本社の部長らの管理職は、労働基準法で「労働条件の決定や労務管
理で経営者と一体の立場にある者」と解釈され、原則1日8時間などの労働時間規制
から外れ、残業代もつかない。厚労省はこうした時間規制の除外対象を管理職以外に
も広げる労基法の改正を検討しているが、過労死などを防ぐ歯止めのあり方が改めて
問われそうだ。

 業種別にみると、本社の管理部門などが5人、学校の校舎長や経理部長らの「教育
研究業」が4人、商社やスーパーなどの「卸・小売業」が2人。過労死した建設会社
の部長が、亡くなる前の2カ月平均で残業が月138時間にも達していたなど長時間
労働が目立った。

 同局は「成果主義が進む中、激しい競争が長時間労働を招いている。管理職であっ
ても、労働時間と健康の管理は企業側の責任。長時間労働や健康診断での異変を放置
している例が目立ち、意識改革が必要だ」としている。

 また、管理職以外の一般の労働者37人についても、企業側の時間管理の意識が低
い例が目立った。営業職(10人)、自動車の運転手(6人)、システムエンジニア
(5人)など、外回りや納期前の集中的な作業などを担当し、労働時間を自己申告制
にしている職種が多かった。(了)


 管理職と言っても、かつてのような管理だけをするのではなく、殆どがプレイングマネージャーではないでしょうか?中間管理職は、上からはチームとしての成果を求められる一方、部下の評価もやらねばならず、成果主義が導入されてからは、ますます負荷がかかる状況になっていると思います。

 心の病にかかる人は30代が最も多いという調査結果があるように、30〜40代の中間管理職の世代は要注意です。労災認定の5人に1人が管理職ということですが、実感としてはもっと多いような気がします。管理職自身の労働時間管理やメンタルヘルスケアをしっかりとやる必要があると思います。


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2006年04月23日

BSE対応による過労死訴訟事件

 おはようございます。今朝は曇っていますが、午後から雨が降るようです。自宅にこもって、明日からの準備をしたいと思います。いよいよゴールデンウィークも近づいてきました。特別予定はありませんが、天皇賞の日(4月30日)は、府中競馬場(天皇賞は京都で行われますが)に行ってみようと思っています。

 さて、今日は過労死による損害賠償請求事件を取り上げようと思います。共同通信社の記事を引用します。

BSE対応で過労死と提訴・青森の食肉工場長遺族(4月22日 共同通信社)

 牛海綿状脳症(BSE)問題への対応に当たっていた青森県八戸市の食肉会社工場長の男性(当時51)が急性心筋梗塞で死亡したのは過労が原因として、遺族が22日までに、食肉会社に約5800万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁八戸支部に起こした。

 訴えによると、男性は食肉会社「第一ブロイラー」(八戸市)のニワトリの内臓などを飼料にする工場に勤務。2001年9月にBSE問題が表面化して以降、飼料の原料に牛の成分などが混入していないか調べる国の立ち入り検査への立ち会いや、出荷が停止した飼料の在庫管理など業務が増えた。

 男性は02年3月に死亡。月約70時間だった時間外労働がBSE表面化以降、平均で80時間を超え、死亡するまでの1カ月間は約96時間だったという。

 遺族側は「もともと多かった時間外労働がBSEでさらに増加し、工場長として